非常用電源として使われる電気自動車

非常用電源として使われる電気自動車

目次

災害時に電動車が活躍!!

充電中の車

災害で停電等が起こった際に、電動車が活躍しています。自動車各社は、この災害に対し、約85台
以上の電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)を派遣。クルマに搭載している大容量電池が「非常用電源」となり、洗濯機や冷蔵庫、電子レンジといった家電に電気を供給したり、住民のスマートフォンの充電に使われたりしているそうです。

車から電源を取り出す方法は?

シガーソケット

車から電源を取り出す方法は3通り。
まずはシガーライターから電気を取る方法。携帯電話を充電するケーブルなどは市販されていますが、照明器具などを利用するためには、インバーターという機器が必要です。このインバーターは、カーショップでも購入できるものですので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
次に、車内の100Vコンセントから電気を取る方法。 今は、100VのACコンセントが標準装備されているクルマも増えてきました。
多くの場合は1500Wまで使えるそうで、電気ポットや電子レンジ、ホットプレート、ドライヤーの強風などまで使用OKとなります。
HV車の場合は、エンジンをかけてアイドリング状態にして作動させることになります。
最後に、V2H機器を用いて電気を取る方法。V2Hとは、通常は家庭の電源から電気自動車やPHVを充電しているのに対し、必要な時には車側から家庭に電気を供給する仕組みのことを言います。こちらの利用にはまず、クルマ自体がその機能を備わっていることが前提となりますが、使用できる場合、1500Wから6000Wまで対応し、6000Wのものは60A契約の一戸建ての家一軒に電力を供給でき、エアコンやテレビも含め普段通りの生活ができてしまいます。
以上の車種をお持ちの方、または購入をお考えの方は、こういったもしものときの機能も、あらかじめ確認しておくとよいかもしれませんね。

走る蓄電池としての新しい価値

この電気自動車の災害時での使用は、これまでも度々注目されており、日本自動車連盟(JAF)では、EV、PHV、HV(ハイブリッド車)、一般的な車各車の蓄電で、一般家電がどの程度使えるのかを検証し、ホームページに公開しています。
また、自動車メーカーなどと自治体の間で、緊急時にEVを無償貸与する協定を結ぶ動きが加速化しており、自治体側でも、一般住民の所有するEV車を緊急時に提供してもらう登録制度を設けるなど、体制整備が進んでいるそうです。
電動車は、CO2排出が少なく燃費がよい環境車として普及し続けていますが、同時に、自然災害の多い日本において「走る蓄電池」として活躍を見せることで、ただの移動手段ではない、新しい価値を提供してくれているんですね。
災害時の備えのひとつに、「自家用車による備え」の選択肢もあるということを、是非知っておいて
いただければと思います。